オーストラリアのワーキングホリデーをめぐり、複数の国でビザ申請が一時停止されています。
ただし、日本人が通常利用するWorking Holiday visa(Subclass 417)は、2026年9月12日現在も申請できます。今回、主に停止対象となっているのは、年間発給枠のあるWork and Holiday visa(Subclass 462)です。
オーストラリア内務省は、417と462の両方について、申請の集中により審査に通常より時間がかかると案内しています。日本人にとっては「申請できない」というより、許可までの時間を長めに見積もる必要が出てきたことが今回のポイントです。
何が一時停止されたのか
オーストラリアのワーキングホリデー制度には、主に2つのビザがあります。
日本人が申請するSubclass 417
日本、英国、カナダ、フランス、ドイツなど19の国・地域が対象です。日本のパスポートは、2026年の現行法令でも417の対象国として明記されています。
内務省の公式ページには、2026年9月12日時点で日本人向け417の申請停止は掲載されていません。
年間枠のあるSubclass 462
中国、インド、インドネシア、スペイン、アルゼンチン、タイなどが対象です。初回ビザには国別の年間発給枠が設定されています。
内務省の国別枠ページでは現在、アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、チリ、チェコ、エクアドル、ギリシャ、ハンガリー、イスラエル、ルクセンブルク、マレーシア、モンゴル、パプアニューギニア、ペルー、ポーランド、ポルトガル、シンガポール、スロバキア、スロベニア、スペイン、スイス、タイ、ウルグアイの23カ国が「paused」と表示されています。
サンマリノとトルコは「Open」。中国、インド、ベトナムは抽選制度を通じた申請です。インドネシアも抽選方式へ移行する予定とされています。
「paused」は廃止ではない
内務省によると、「paused」は申請を一時的に止めている状態です。申請を年度内に分散させたり、年間枠に近づいた国の受付数を管理したりするために使われます。
同じ年度内に再開される可能性がある一方、「closed」はその年度の枠が埋まり、新年度まで再開しない状態です。今回の「paused」を、ワーホリ制度全体の廃止や、すでに許可されたビザの一律取消しと受け取るのは正確ではありません。
ABC Newsは8月18日、当時24カ国で申請が一時停止されたと報じました。政府からWHM制度そのものを廃止する発表は、現時点で確認されていません。
日本人への影響は「受付停止」より「審査の遅れ」
日本人の417は受付停止ではありません。しかし、内務省は現在、417・462とも申請量が多く、処理に通常より時間がかかるとしています。
トニー・バーク内務大臣も8月の会見で、バックパッカー向けビザの処理速度に言及しました。8月26日の公式記録では、処理はそれ以前より改善しているとの趣旨を述べていますが、内務省の最新案内は「通常より長くなる可能性がある」という内容です。
これから渡航する人は、以前のように「数日で許可される」と決めつけず、渡航時期に余裕を持たせる必要があります。
申請者が確認すべきこと
これから申請する人
日本国籍者は、417の公式ページからImmiAccountを通じて申請できます。対象年齢は18~30歳で、31歳の誕生日を迎える前に申請しなければなりません。締切はオーストラリア東部時間基準です。
パスポート、資金証明などの書類をそろえ、入力ミスを避けてください。内務省は、初期滞在費として通常AUD5,000程度に加え、出国費用の資金または航空券を求めています。
申請済みで結果を待っている人
ImmiAccountで審査状況と追加書類の依頼を確認してください。審査は個別に行われるため、他の申請者の許可日数は目安にしかなりません。
航空券や住居を予約した人
内務省は、ビザの許可通知を受け取る前に渡航を手配しないよう案内しています。航空券、学校、住居の変更・キャンセル条件を確認しておくと安心です。
ETAやVisitor visaで先に入国しても、ワーホリと同じように働けるわけではありません。Visitor visaやETAでの就労は違法です。就労権は許可通知やVEVOで確認してください。
パースへの影響
ワーホリメーカーは、パースの飲食、観光、農業、清掃、宿泊などを支える存在です。審査の遅れが長引けば、渡航者の到着時期だけでなく、採用、語学学校、シェアハウスにも影響する可能性があります。
一方、すでに有効なビザで滞在している人について、今回の462新規申請の一時停止を理由に就労権が一律に失われるという公式発表はありません。現在のビザ条件をVEVOで確認してください。
パース通信の見解
今回の動きは、オーストラリア政府がWHM制度の受付と審査を慎重に管理していることを示しています。
ただし、「日本人のワーホリが停止した」と断定するのは誤りです。日本人は417、年間枠のある国は462という違いを確認し、申請前には必ず内務省の最新ページを見てください。
パース通信では、417の受付状況や審査方針に公式な変更が出た場合、続報をお伝えします。
公式情報・参考資料
- 豪州内務省:WHM国別年間枠の状況(Subclass 462)
- 豪州内務省:Working Holiday visa(Subclass 417)
- 豪州内務省:WHM最新情報
- 豪州連邦法令登録簿:Subclass 417対象国・年齢に関する2026年法令
- 豪州内務大臣:2026年8月26日記者会見記録
- ABC News:What you need to know about the working holiday visa pause
本記事は2026年9月12日(パース時間)時点の公表情報に基づきます。制度や申請状況は変更される可能性があります。個別の事情は、豪州内務省または登録移民エージェントに確認してください。