オーストラリアの住宅市場で、競売の成約率がこの3か月で低い水準まで下がり、売れ残る物件も増えていると報じられています。今回の報道では、競売で売買が成立する割合が50%を下回り、1年前と比べて未成約の住宅数が2割以上増えたとされています。
単独ソースの報道ベースではありますが、住宅を「今すぐ高値で売りやすい環境」から、買い手が比較的慎重に動く局面へ変わりつつある可能性があります。特に、売り出してもすぐ契約に至らない物件が増えると、価格交渉の余地が広がる場面も出てきます。
オーストラリアでは都市や地域によって住宅市場の動きが大きく異なります。今回の報道は全国的な住宅市況の弱さを示す内容ですが、パースのように人口流入や賃貸需給の影響を受けやすい地域では、全国平均と同じペースで動くとは限りません。そのため、パースで家の購入や投資を考えている人は、全国ニュースだけで判断せず、WA州内の販売件数、在庫水準、オープンホームの来場状況、金利動向なども合わせて確認しておくのが現実的です。
パース在住の日本人にとっては、購入希望者と賃貸居住者で受け止め方が分かれそうです。購入を検討している人にとっては、物件の比較時間が少し取りやすくなったり、条件交渉がしやすくなったりする可能性があります。一方で、売却を予定している人は、希望価格の設定を慎重に見直す必要が出てくるかもしれません。
また、住宅市場の減速がすぐに家賃の下落につながるとは限りません。オーストラリアでは売買市場と賃貸市場が別の要因で動くことも多く、パースでは依然として賃貸の空室不足が生活実感として強いという声もあります。これから渡豪する人や長期滞在を予定している人は、「売買市場が弱い」ニュースだけを見て住まい探しが簡単になると考えず、賃貸の競争状況は引き続き個別に確認した方が安心です。
特に永住権取得後の住宅購入、子どもの学区を意識した住み替え、投資用物件の検討などをしている家庭では、金利負担、頭金、諸費用、保険料、修繕費まで含めた総額で判断することが重要です。競売の成約率が下がる局面では、見た目の売り出し価格と実際の成約価格に差が出ることもあるため、最近の近隣成約事例を丁寧に確認しておくと判断しやすくなります。
今回の報道は、オーストラリアの住宅市場にやや冷え込みの兆しが出ていることを示す材料の一つといえそうです。今後、金利や家計負担、地域ごとの需要の違いによって状況が変わる可能性があるため、パース周辺で住まいの購入・売却を考える人は、全国ニュースを入口にしつつ、最終的には地域データと現地の仲介情報をあわせて見ていくことが大切です。
※豪住宅市場に売れ残り増は、現時点で確認できる1件の情報源をもとに整理しています。続報や公式発表で内容が変わる場合があります。