オーストラリアで定着した在宅勤務が、環境面で本当に良いのかを考える動きが広がっています。今回の報道では、通勤が減ることで排出が抑えられる可能性がある一方、自宅での電力使用や住まいの断熱性能などによって、効果は一律ではないと報じられています。単純に「オフィスに行かないから必ずエコ」とは言い切れない、という整理です。
新型コロナ以降、オーストラリアでは柔軟な働き方が一般化し、少なくとも一部を在宅で働く人は珍しくなくなりました。特に事務職や専門職では、自宅と職場を組み合わせる働き方が定着しています。こうした流れはパースでも同様で、CBDまで車や電車で通っていた人が、週に数日だけ自宅勤務に切り替えるケースはよく見られます。
環境面でまず注目されるのは、やはり通勤の削減です。パースは都市圏が広く、郊外から市内までの移動距離が長くなりやすいため、車通勤を1日減らすだけでも燃料消費や排出の抑制につながる可能性があります。渋滞の緩和や、移動時間の節約という生活上の利点もあります。
ただし、自宅勤務には別の負荷もあります。冬場や夏場に家庭でエアコンや暖房を長く使えば、その分だけ電力使用は増えます。1人だけのために日中ずっと空調を動かす場合、オフィスの集約された設備利用より効率が下がることも考えられます。住まいの断熱性が低い、古い家電を使っている、日当たりの影響で冷暖房が必要になりやすい、といった条件でも差が出ます。
このため、環境への影響は「在宅勤務か出社か」の二択ではなく、通勤手段、住居の性能、勤務日数、家族構成、地域の気候など複数の要素で変わるとみられています。たとえば公共交通機関で短距離通勤している人と、長距離を車で移動している人では、在宅勤務による差の出方は同じではありません。
パース在住の日本人にとっては、家選びや生活費の視点でも参考になる話題です。これから就職や転職でパースに来る人は、勤務先がハイブリッド勤務を認めているかに加え、自宅の断熱性、日中の室温、電気料金、インターネット環境まで確認しておくと、働きやすさと家計の両面で判断しやすくなります。特に西オーストラリアは季節によって暑さが厳しい日もあり、冷房コストは無視できません。
在宅勤務を少しでも環境配慮型にする方法としては、必要な部屋だけを空調する、消費電力の少ない機器を使う、自然光を活用する、洗濯や食洗機の使用時間を工夫する、といった家庭内の見直しが考えられます。もし通勤する日があるなら、可能な範囲で公共交通機関の利用や相乗りを選ぶことも一案です。
今回の報道は、在宅勤務そのものを否定する内容ではありません。むしろ、働き方の自由度が広がる中で、環境への影響をより現実的に見ていこうという問題提起に近いものです。パースでは通勤距離や住居条件による差が出やすいため、自分の生活に当てはめて考えることが大切になりそうです。今後も企業の出社方針や光熱費の動向とあわせて、在宅勤務のメリットと負担のバランスが注目されそうです。
※在宅勤務と環境負荷は、現時点で確認できる1件の情報源をもとに整理しています。続報や公式発表で内容が変わる場合があります。