オーストラリアで、医療資格を持たない出産支援者による関わり方が問われる事案について、新たな動きが報じられています。今回伝えられたのは、ビクトリア州で開かれている検視手続きの中で、妊婦に対して病院出産への不安を強めるような働きかけがあった可能性や、今後の刑事責任の検討につながる可能性が示されたという内容です。
報道によると、亡くなった女性は2025年9月、メルボルンのフランクストン病院で死亡しました。女性は自宅で出産した後に産後出血を起こし、その後病院に搬送されていたとされています。そばには、妊娠中から有料で支援していた「バースキーパー」と呼ばれる立場の人物がいたと伝えられています。
今回のポイントは、事故そのものの経緯に加え、妊娠中の意思決定にどのような影響があったのかが法的に調べられている点です。報道では、この支援者が女性に対し、病院での出産を避ける方向へ心理的な影響を与えていた可能性が検視で取り上げられたとされています。検視の場では、将来的に検察側への付託が検討されうるとの見方も示されたようです。ただし、現時点では審理の途中段階であり、最終的な法的判断が出たわけではありません。
オーストラリアでは、助産師、ドゥーラ、出産教育者、そして今回報じられているような非医療資格の出産支援者など、妊娠・出産を支える立場が複数あります。ただし、それぞれできることは大きく異なります。医療行為や緊急時対応、リスク評価は、登録された医療専門職の役割です。一方で、出産時の付き添いや精神的サポートを行う人がいても、医療判断の代わりにはなりません。
パースで暮らす日本人や、これから渡豪して出産を考えている人にとっても、この点は確認しておきたいところです。英語でのやり取りに不安があると、口コミやSNS上の体験談、個人の支援サービスに頼りたくなることがあります。しかし、妊娠経過や既往歴によって必要な医療は変わります。支援者を探す際は、州の登録制度の有無、職種、緊急時に何ができるのか、病院やGP、助産師との連携体制があるかを事前に確認することが大切です。
特に初めての海外出産では、「自然なお産をしたい」「なるべく介入を避けたい」という希望と、「いざという時にどこまで医療につながれるか」を切り分けて考える必要があります。希望を尊重してくれる支援者であっても、異常の見極めや搬送判断を含む安全面は、制度の中で担保されているかが重要です。
今回報じられている案件はビクトリア州の事例ですが、オーストラリア全体で、出産支援の説明責任や安全性をどう確保するかという論点にもつながりそうです。今後、検視の進展や当局の判断によって新たな情報が出る可能性があります。妊娠中の人や家族にとっては、不安をあおるためではなく、支援者の肩書きと実際の役割の違いを理解し、医療機関との接点を保ちながら準備を進めることの大切さを考えさせる事例といえます。
※豪出産支援巡る審理続くは、現時点で確認できる1件の情報源をもとに整理しています。続報や公式発表で内容が変わる場合があります。