私のボランティアNO97 広瀬寿武
(新パートナーJ)
引越と言う大困難(高齢な肉体的、精神的ストレス)が何とか、やっと一段落したが、40日過ぎても、PCプロバイダーによる電話接続が完了せず、携帯を使用するMy3を使ってのインターネット。速度、料金等々問題は有るが、PCの無い日常の生活は不便そのもの。文句を言っても「この国に居を構えたのは私自身」我慢するしかない。
ブラインドゴルフの組織管理担当者(R女史)よりJimのキャディを依頼された。
Mが退会して直ぐ3〜4人から個人的にキャディを頼まれ、実は返事に困り事務局に相談して調整を依頼した結果なのだ。毎週、顔を合わせるので気まずさを残さないようにした。
Jim(J)は84歳、B1、足元に置く白いボールを確認出来る視力。90kgの骨太な体格は私を凌ぐ迫力、腕も太い。7年以上のブラインドゴルフの経験者。至って陽気な彼は、少し蟹股で大きな足を踏み出す。
まだ、ゴルフの経験、視力障害の経過、原因は聞いていないので知らないが、その内、気心が知れたら聞こうと思っている。
これまでの数年間に4回程、Jのヘルプをしたので知っているつもりでキャディに付いた。だが、ヘルプと専任キャディではJの方も私も心構えが全く違う。
Jのゴルフバックの中には4,5,7,9番のアイアン4本とパターのみ。
先ずTグランドとグリーン近くまでは4番アイアン、あとはパター。
「グリーンまでは60m有るよ」「OK,パターをくれ」
60〜80Mm先のグリーンまでのフェアウエーをパターで転がすボールの方向、速度、力等は目が見える私にとても、読みきれない。2〜3週は兎に角、Jの癖、力、方法を必死で学び習得に集中した。
力の加減はJに任せ、先ずスイングの癖からボールの飛ぶ方向を考え、3m先にクラブ専用黄色のユニホームが見えるように(鮮明に見えないが方角が理解できる程度)私が立ち方向を示す。70%の割合で100m近く私の思った方向に飛ぶ。
「左か右か、まっすぐか?」「真ん中だよ」私の肩に手を掛け蟹股、大股でゆっくり歩くが、結構重く感じるのはJの腕の重量。
60mのパター、途中の凸凹、曲がるだろう方向、ラフの具合等々、これを読むのは実に面白くなった。(私だったら絶対パターは使わないし、使えない)
兎に角、グリーンに乗せる事が先決。この思いでニケ月上。
7月2日金曜日(毎週金曜日が定例):定例ブラインドゴルフで初優勝。
「やった!」「トシ、これからずーっとキャディを頼むぞ!」
350mのコース、4番アイアンで3〜4回、残りはパター、上がりは6〜7打目.Wボギーか3ボギー。
Mほどの距離は出ないがキャディ至大で真ん中へ飛ばす事を心掛けると、Jのハンディも9ホールで20から下げるのも夢ではない。
84歳、視力B1(2〜5mの視力)でここまで集中し、楽しむゴルフは「凄い」の一言。
この日使ったのは4番アイアンとパターのみ。
私のゴルフは14本持ち歩き、それでもハンディは変わらないどころか年々落ちるばかり。
84歳まで後10年、元気に楽しく出来るだろうか?全く自信が無い。
Playerの平均年齢が86歳に上がり、それを支えるキャディの平均年齢も85歳以上。
私が一番若いと言っても自慢にはならない。
毎週、人生を楽しく生き抜くエネルギーを与えられるボランティアに、ただただ「凄い」と思うのが実感。
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