私のボランティアNO96 広瀬寿武
(自分で納得するだけ)
基本的にやる気が起こらないボランティアは面白くないばかりか、苦痛すら覚える。
一つの日本人コミュニティーのお世話係と言う役員を、今年で5年も続けることになった。このボランティアには率先して申し出る人が少ないと言うより、居ないと言う方が正解かもしれない。
このクラブも高齢化の影響を受け、その上、わざわざ生活内にストレスを抱える鬱陶しさを避けたいし、出来たら人任せで気楽な日々を送りたいのは人情でもあろう。
私とて同じで、推薦を辞退したが、受ける人が居なく「お目出度い人」になってしまった。
「失礼だけど、今年の役員の顔ぶれ状態で引き受けたら、仕事の殆どを自分で行わなければならない。PCを使える人も無く、機器も無い、年齢も高齢者、定員の人数すら不足。人への気使いも大変よ。相当の覚悟がいる」と妻の助言もあり、近年の役員関係で疲れても居た私も「覚悟までして引き受けるボランティアでもない」と推薦者には断っていたが。
早速1から10までとは言わないが、気の使い方は10を超え、費やす時間も深夜に及ぶ。
「貴方はお目出度い人ねと言うか、馬鹿よね」
その通り!だが、文句を言っても始まらない。やるだけさ!
気が起こらないボランティアだが、起こらない気を何とかしなければ、苦痛で1年間を通すのは、もっと馬鹿だ!
3月5日から今年のブラインドのゴルフが始まる。
その前から、ブラインドプレイヤーの数人から私にキャディの依頼が来ていたが(Mがプレーを止めた報告が会報に記載)、さて、私も人間関係を上手く繋いで行く上で熟慮を要した。
初日は、取り合えずNのサポートを。終了後、役員会に助言をしてもらい、私の意見、気持ちを表面に出さないようにしよう。
ブラインドのボランティアは日本人コミュニティーより毎週毎週顔を合わせるだけではなく、心の疎通が大切なため、人間関係は重要になると同時に、自分のやる気力に大きく関係してくる。
楽しく、気楽に、出来るだけストレスが無い様に、と、言った所で、人の為とは言え、ストレスは着いて回る。
それが嫌なら、耐えられないのなら「何もしない事」が一番。
分かっているが。
JO’Cでは毎週、新顔のメンバーに出くわす。今、センターでは新にMundaring
に支所を作る計画がある。精神障害を持つメンバーがシティーまで来るのは大変だと考えての事だが、資金との相談は容易ではない。公的援助は減る一方で、障害者は現実に増えている。
O’Cでボランティアを始めてから10年になる、私の肌で感じる実感でもある。
当初、$1の昼食代も徐々に値上がり、今年1月から$3に値上がり、彼等にとっては法外な値上げだが、O’Cでも悩んだ末の結果なのだ。
最近、私のボランティアは毎週、水曜日「トシのクッキング」と勝手に命名されて、白い帽子と前掛け姿のシェフが当たり前になってしまった。とは言え、昼食後は又、彼等を連れて1時間以上の運動?の色々も担当。
妻様に言わせると「本当に料理になっているのかしら、信用できない。食べせせられる皆は気の毒」と私のクッキングは料理と認めたがらない。
冗談ではないよ!$3の値段以上の立派な料理。私の味は評判が良く、水曜にだけ集まる人も多く「毎日作ってほしい」との要望。
週一回だから良いのだよと言いたい。
「何が得意な料理か?」と聞かれても答えは出来ないが「兎に角、作っていると何かが出来、自分で試食しても美味い」のだから、ボランティアにエネルギーが入る。
一週間、色々なボランティアに色々な感情を持ちながら、人間不出来な私であるからこそ、馬鹿げた苦悩と葛藤の末、何の進展も無く次の週がやってくる。
私のボランティアだから、それで良いのかもしれない。
JO’C 精神障害者のディーケアーセンター(法人組織)
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