私のボランティアNO83     広瀬寿武
        「日本人の心」

12月になると日本の忘年会と同じ様に、クリスマスの名に因んで、私の関わった或いは現在も所属しているボランティア団体からパーティを催す案内が来る。
だが、日にちが大体同じ日に重なり、私自身のスケジュール(遊びの)の過密さもあり、その全部に出席するのは不可能。
選んで出席出来るのは2箇所くらい。

ボランティア協会とブラインド協会共催のパーティと日本人コミュニティーが重なり、断っていたが、「今期のベストボランティアとして表彰し名誉のメダルを授けるから、その式典だけでも出席しろ。当人が居ない授賞式では困る」と会長、役員達からの言葉に従う事にした。

ボランティア協会、ブラインド協会等の法人団体も州政府の福祉事業の一部として資金、人的等々と色々な援助をされている関係で、結構、役所高官や政治家らしい人も出席する。
そんな中で、日本人の私が最高賞を受賞するのは「たかが、こんな賞」と馬鹿に出来ない雰囲気と晴れがましさがある。
首に掛けられたメダル、直接手渡された賞状。

私にとってはやはり、未だ外国。ここで私は「ただ私」ではない。「日本人の私」
私の身の中に潜み、消える事のない「日本人」の意識が「日の丸」を振りたくなる。
70歳を十分超えた年齢の、ノスタルジーでセンチメンタルな馬鹿げた感傷の傾向とは思いたくない。
日本人の魂を持った一人の人間が「たかがボランティアの賞」と言えども、数百人の中でただ一人の「最高ボランティア賞」
だが、多人種がお互いを理解し、協力しながら国つくりをするオーストラリアで「日本人」と主張するのは「絶対」すべきではない。
「百も承知の助」「そんな表現はしませんよ!」
でも、日本人魂が勝手に疼く。
どうしましょうか?

 

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