私のボランティアNO77     広瀬寿武
(年齢とボランティア)

人間に死期が有るのを疑う人は居ないが、平時、自分が死ぬなんて言うことを余り意識して生活する人も又少ないだろう。
私なんか、自分が死ぬなんて言うことを夢夢、思った事すらない。だが、最近、私の周りでもあの世へ旅立つ人が多くなったので、何となく「俺にもそんな事があるのかな」と、でも他人事の様な思いだが、つらつら心を突く。

先日は妹の亭主が「お先に!」と簡単にあの世へ行き、日本で葬儀と、諸々の整理を済ませ、帰ってきたらブラインドのボランティアをしているWがストロークで倒れ、そのまま。
ブラインド協会のボランティアは色々有る。私も関わるガイドドッグ(盲導犬)のボランティアは、土日祭日が多い為、結構若い人が参加手伝いをしてくれるが、平時のボランティア(ブラインドゴルフ、つり、スポーツ等々)は平均年齢が75歳を越す。
若い人は自分の仕事優先なので当然のことながら参加出来ない。
私と共に週1回のブラインドゴルフのキャディをしている人達も最高齢が87歳で、私の72歳は若い方に属する。
最近、先月まで元気にブラインドの手を引きキャディをしていたのに、入院したり、体に支障が出来たり、急に旅立つ人が年々増えてきた。
先日、ゴルフボランティアが終わってから、お茶を飲みながら年齢と体力、ボランティアの気持ちが話題になった。
入れ歯の人も、蟹股で腰が揺れる爺さんも、太りすぎの婆さんも、誰が見ても年齢を感じるボランティアの面々だが、誰も明日の自分なんかを想像していない。
結論を言えば「ブラインドの人達を楽しませるために、自分自身も楽しむ。ボランティアが出来なくなった時は、その時」
「ボランティアは日常の生活の中の一つの時間帯」
生涯の終わりに近づいた時間とボランティアが、同じ線上で楽しむ、気楽さ。

ボランティアとはこれに尽きる、と、私は益々勇気が沸いた。

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