私のボランティアNO112 広瀬寿武
(93歳の盲人、婆ちゃんゴルファー)
3月の初めに行われたブラインドゴルフ(BGC)の役員会に出席した。
年に数回行われるが、私はめったに出席しない不真面目な役員と自負している。
今回は足「カカト」の痛みを理由に、一週置きのボランティア参加を願い出ようとの腹心算。(BGCは毎週1回、金曜日、開催)
S婆さんの話題から始まった役員会。
「来週はSの誕生日会をプレイの後で行う」
93歳のSは小柄で細身、だが背筋はピンと張って小股で、ヨチヨチとマイペースを保って歩く姿は93歳とは思えない。
勿論、ゴルフハンディはB1の全盲。
キャディはR婆さん、86歳で太目の小柄、背筋が少し丸く首が見えない。
150cmそこそこの婆ちゃん2人がゴルフカートを横揺れさせながら引っ張り、寄り添い、頼り頼られながら、ボールを追っ掛ける姿に仲間は温かく声を掛け、励ましていた。
プレイに時間は掛かるが、後に続く組も、いらだつ事は絶対ない。
93歳の盲人と86歳のコンビ。
プレイの時以外でも、何時も小まめに頼り合う2人に不自然さを感じない。
毎週プレイに参加する元気な姿を見ながら、当然来るのが当たり前と思い、
年齢を気に掛ける事も無かった。
役員会で2人の種々の話題を聞いている内に、私の怠慢な腹心算は消えてしまった、と言うよりは、言うのが恥ずかしくなり、引っ込めてしまった。
私のボランティアは、何時も私に理屈抜きの生きている実感を教えてくれる。
早速、ヨガのクラスに参加をし、過酷なリハビリを実践し始めた。
実は、友人が図入りのストレッチ解説表をメールしてくれたが、特に怠慢、
適当な人間の私、1人でのトレーニングは効果が無い。
そこで93歳のSの話題が私をして、ヨガに。
そのクラス、私が最高齢、次が53歳。
もっと曲げろ!もっと引っ張れ!もっと伸ばせ!の90分。
35℃の密閉した部屋の中で、30~40人クラス、遅れをとるまいと
汗だくの拷問状態。
休みタイムは水を飲む3回、3分間。
終わると、しばらく動けない状態で横になって呼吸を整える。
我が家から歩いて4~5分だから続いている。
SとRの姿に触発され、カカトの痛みから解放されたい一心で、久しぶりでの頑張り。
だが、過酷ないじめの中では、SとRの姿を思い出す余裕はなんか有るわけは無い。
(女性であるSとRに対して婆さんと記すことは失礼と、抵抗は有ったが)
ボランティア日記TOPに戻る
|