私のボランティア NO11 広瀬 寿武
タイへの家族旅行を含め四週間の休暇を取り、数週が過ぎ、又すぐ日本へ四週.
運良く、CFの先輩ドライバ−が腰の治療に専念するため半年間休むので、講習を受
けていた新人ドライバ−に私の休みを埋めてもらう事が出来た.
五月の連休過ぎに戻り、その翌日、惚けた頭に遊び疲れた身体、その上怠慢に慣れ
た無気力な気分を引き摺ってO’Cに顔を出す.
「ハ−イ、トシ」P、E、S、M、G、Tも「どうした、どうして来なかったのか!」
Sは何週間分の話を、Eは相変わらず同じ話を、みんな寄って来て私を追い回す.
「カ−ドをしよう」「プ−ルゲ−ムを!」「今日のランチは?」
「OK!OK!」惚けた頭に気力が蘇ったと同時に、このちっぽけな点の繋がりに大き
な存在感を覚え、私のボランティアに私だけの愛しさを見つけた.
タイでは家族の絆に豊かな気分を溜め、日本では馬鹿馬鹿しい「時」に気持ちを費や
し、それでも楽しさに笑った.
食べた、飲んだ.屈託の無い満腹感.
だが何か欠けている.何だろう?そうか身体の中を流れる私のリズム感.
「早く帰って私のボランティアをしなければ」と.
義務感か、責任感か.そんな思考的なものでは無い.一種の複雑な感情.
「恋」に似ている.感情と言う気紛れな存在に理屈は無い.理屈が無ければ
思考も無い.私のボランティアはロマンなのか?それすら解からない.
思慕の感情は相手に何かをして与えたくなる.そんな情感なのかも知れない.
私の恋人達と午後の一時、Swan riverの辺でtea time.
彼らのリズムに乗っかって私自身がリラックスする.
翌日CF.朝七時半.誰も居ないレセプションに不安そうに私を待つ女性が一人.
「私はトシ、お早よう、調子はどう?」私の休み中に来たので互いに初対面.
早朝でもあり、休み明けのリズムに緊張感が無い.運転には倍以上の神経を使う.
車中での会話に共通点を探し、一人目を無事に病院へ.ほっとした一瞬.
三人目には私のリズムに戻ったが、O’Cと違って常に対話にも運転にも緊張感が
伴う.一人一人の患者の状態が日々違う.日々どころか行きと帰りで違うので、
二年以上の経験が日々に新しい.何時も初日と思い責任を果たす.
十三人、報告書を書く.四時「ああ−終わった!」
「有り難うトシ、お茶とクッキ−用意して有るよ.ランチの時間が無かったね」
初日感の緊張から開放され空腹が一気に押し寄せる.
唯々、無事に終わった事への安堵に幸せを感じる.
この安堵の幸せ感も私のボランティアの一部.決してストレスにはならない.
週二回のボランティアは、ストレス解消になっているのかも知れない.
身体の中の免疫力がストレス解消で効果的に働く.
心身共に健康な毎日を過ごせるのもボランティアのお陰と思うと、
私のボランティア、万歳!
ゴルフの仲間から誘いのEmailが来ている.明日は天気にな−れ!
五月十三日から十九日の一週間
「National Volunteer Week in WA 2002」
On Monday 13th MayにRoyal Perth Yacht
Clubに於てVolunteering WAのMeetingと
PresentationがWAのボランティアの代表、約三百人が出席して盛大に
行なわれた.
私もCommitteeから是非にと、出席の依頼と招待を受け日本からの帰国を
この日に合わせた.
次回はMeetingに参加した感想を・・と思っている.
(O’Cは精神障害者をケアするセンタ−)
(CFはCancerの患者をあらゆる面でサポ−トする、政府系社会事業財団)