私のボランティアNO106  広瀬寿武
     (キャラクター)
JO’C(精神障害者サポートセンター)での私の勤務?事業所はSubiaco(スビアコ)センター。
シティーに近くメンバー(障害者)に取っては、バス便等、交通機関が利用し易く、便利な場所に有る。
私が最初に行った時「古い建物」との印象を受けて、それから十数年。配管、雨漏り等々、古さが表面に出て事業所としての維持に支障が出て来た。
やっと、州政府の予算が付いて大掛かりな改築が始まった。
メンバー達は市の施設を転々と間借りをした場所に通ってくるが、落ち着かない様子。
3ヶ月以上はその状態が続く。
私はFremantle(フリーマントル)の事業所からの要請で、この間、一時的な転属になった。
ここはフリーマントル病院の真ん前で、病院から直接来るようなメンバーを多く抱えている。
現在スタッフ(ソーシャルワーカー)は全員女性。スビアコで養成されたスタッフなので顔馴染みで、勤務に違和感は全く無いが、女性しか居ないため、メンバーの中には横柄な人も結構居るので、私、男がちょっと重宝される。
そんなこんなで、最近私に擦り寄ってくるメンバーが増え、十数年の勤務?経験で慣れているとは言え、何となく面倒臭い時もある。
私のボランティア気分なんて、所詮、そんなものだ。粋がってやってなんかいないのが現実だ。
ソーシャルワカーに男性が少ないのは、給料が安く、それだけで生活するのは厳しいと言う。障害を持つ人には「優しく、ボランティア精神」でと言っても、働く人には厳しいだろう。
「私はボランティアだから」お金には関係ないが。

あちらこちらのサバーブに住む私の友達(日本人以外の)から
「トシ、お前の写真と記事を読んだよ、また有名人になったな」と電話、
メールと入って来た。
実は新聞に掲載されたのはこれで4回目になり、友人達の話のネタに時々なっていた。以前は精神障害者のサポーター、がん患者のサポーター等。

全く忘れていたが、2ヶ月ほど前に、パース市を網羅するcommunity新聞のインタビューと写真を撮った。何故、私なのか良く解らないが、
ボランティア団体の推薦でブラインドゴルフのプレイヤーとキャディ。
ニュースエージェントから新聞を貰って来て、早速見てみた。
10ページに意外とでっかく
「Blind golfers round out their social life」のタイトルと写真。
記事中に私のパートナー Ms Beryl Mathews said
「We do rely on our caddies- mine is Toshi Hirose ,who is wonderfully patient」と。
「トシがpatientと!信じ難い」とみんなの評。
しかし、ボランティアをする人も唯の人間、その日によって、気分が違う。
ましてや、私なんか、いい加減な人間だから「我慢だ」『辛抱だ』と繕えない。
だが、一つだけ「その時、その日は、人の中に我を忘れ、共に溶け込み、自分も楽しむ」事を出来るだけ心掛けてのボランティア。

精神障害者と同じく戯れ、同じく怒り、笑う。
私にはブラインドの気持ちは永遠に理解出来ないが、ブラインドの目になり、一緒に涙も流す。
全く子供みたいだと人は言う。だが、心しか通じない人と過ごすには相手と同じ心が必要だし、人間の自然な姿が共に安心感を育む。
これは「我慢」でも「辛抱」でもない。
私のボランティアは私のキャラクターの素姿かも知れない。


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