福島先生の人生日々勉強
三心の心得
人が生きていくために欠かすことのできない「食事」。食事は、たとえ修行の身であっても、「行」の1つとして重要視される大切な行いです。食事を作って頂くということは、命を頂くことと同義であり、大変にありがたいことです。と同時に、供する者、調理する者の心の在り様も、命に関わる大切な行の要であると言えます。食事を作る者の心得として、「三心」という教えがあります。1つ...
福島先生の人生日々勉強
悔いなく生きるために
「侘は是れ吾に非ず、更に何れかの時をか待たん」、読みは「たはこれわれにあらず、さらにいずれのときをかまたん」。
この言葉は、道元禅師の書かれた『典座教訓(てんぞきょうくん)』という本の中に出てきます。若き日の道元禅師が宋の禅寺で修行中のこと、ある夏の昼下がり、太陽の照りつける中を、1人の老典座(ろうてんぞ)と食事係の老僧がシイタケを干してい...
福島先生の人生日々勉強
命の連鎖
随分前に亡くなった祖母がまだ元気だったころ、「人間死んだらおしまいです」と言っていたのを今でもよく覚えています。「死んだら何も残らない」「生きているうちが花よ」と。戦争や災害で身内の死を幾つも見送ってきた祖母にとって、それは真実の声だったに違いありません。幼かった私に語られたこれらの言葉たちは、その後の死生観に少なからず影響を与えたのだろうと思いますし、「命を粗末...
福島先生の人生日々勉強
とらわれない心
何か問題を起こしてしまった時、原因を特定して改善に導くという方法が有効に働くことがあります。しかし、何度も同じ失敗を繰り返しているというようなケースにおいては、自分1人でその作業を行うのは難しいというのも現実です。度々不愉快になる、不快な経験を何度も繰り返すといった状態にあると、なおのこと原因を追及し、理解したくなるものです。そして「過去の体験や記憶の何かが...
福島先生の人生日々勉強
純粋な時間
人間関係やお金、仕事のことなど、私たちは誰もが常に何かしらのストレスにさらされています。ストレスがなければいずれ弱って生存すらできなくなりますから、ストレス自体が悪者というわけではないのですが、重なると許容量を超え、命に危険を及ぼすほどの「キラー・ストレス」になる可能性があります。驚くことに、「自分はそこまで仕事も忙しくないし、大丈夫だ」と思っているような人が最...
福島先生の人生日々勉強
声を聴く
「良い仕事をしよう、良い結果を出そう」と魂を込めて努力している人ほど、ついつい頑張り過ぎてしまいます。いい加減な人ならば、「このくらいできていれば合格かな」と自分で適当に及第点を付け、ほどほどのところで手を打ちますが、義理堅く、真面目な人にはそれができません。ですから、食べることを疎かにし、寝る時間も削り、そびえ立つ高い目標に向かってひたすらに登り続けます。確かに...
福島先生の人生日々勉強
星の記憶
日が傾き、夕暮れがじわじわと降りてくるころ、早くも街灯りの少ない所では、幾つもの星の瞬きを見ることが出来ます。やがて、闇がやって来て、空から溢れてこぼれ落ちてくるのではないかと思うほどの輝きを放つ星たちに包まれた時、不思議と心が癒されていくのが分かります。私たちは自然の一部なのだなあと実感する瞬間です。もしかすると、それは私たちの体に星々の記憶が刻み込まれているか...
福島先生の人生日々勉強
明日を思いやる
人間は、互いに関わり合いながら生きている社会的な存在です。人は人に支えられ、人に寄り掛かって生きていて、しかも、人の中にいて初めて、人間になるわけです。ですから、どのように人と関わっていくかによって、人1人の生きがいや幸せが決まっていくことになるのは、自然の理だと言えるでしょう。
自己実現だけを求めて生きてきたように感じていても、実際は、人のために何かをする...
福島先生の人生日々勉強
大切なものを大切にする
最近、自分が生きていることを実感した瞬間はありましたか。命というものは本当に儚(はかな)く、自分が明日生きていられるという保証もありません。といっても、明日死ぬかもと怯えていては生活など出来ませんね。大病を患っている人や大切な人を失った人にとっては、生と死は逃れられない身近なテーマとしていつもそばにありますが、そういう特別なことが無い限り、人は死を意...