2018年度タックス・リターンへの備え
会計年度末の6月となりました。年度末は節税対策の時期ですが、節税戦略については私の過去の記事、または「Ezy Tax Online」ブログをお読み頂くか、会計士へコンサルティングをご依頼ください。今回は7月からの18年度タックス・リターン(確定申告)期に備え何をしたら良いか、重要な点を簡単にご説明します。
●個人税務
経費となる領収書の整理、記録の作成...
日本に完全帰国する際に税金上ですべきこと
永住ビザ、駐在員、就労ビザ、学生ビザ、ワーキング・ホリデー・ビザの人たちは皆、ビザが切れたり、都合によりオーストラリアを離れることがあるでしょう。今回はその際に税金に関わることでしておかなくてはならないことを、お伝えします。
「オーストラリアを出国」とは言っても、いろいろな動機、期間があると思います。短期のホリデーから、数カ月、1年程の中期や2年を超え...
ビジネス・オーナー必読――ATO申告の大きな変更
ビジネスによっては今年の7月から、または来年2019年7月から給与管理、ATOへの報告が大きく変わります。「シングル・タッチ・ペイロール(Single Touch Payroll)」と言い、ATOが給料、スーパーアニュエーション、税金の源泉徴収の報告を全てオンラインで一括管理、雇用主は全てオンラインでの報告となります。18年4月1日時点で従業員...
現金は化けているーー現金の流れと儲けを考える
決算上のプロフィット・アンド・ロス(損益計算書)ではビジネスが利益を上げているのに、あまり現金がなく本当に儲かっているのか、という経験をしたビジネス・オーナーの方も多いかと思います。
ビジネスの利益は会計のルールに従って、売り上げや費用があり結果として幾ら儲かったかをはじき出します。現金がどれだけ入って出ていったか(キャッシュ・フロー)ではありませ...
ビジネスも人生もサンク・コストの克服にあり
最近日本で、UFOキャッチャーの景品がわざと落ちないように設定したゲームセンターの経営者が逮捕される、というニュースがありました。
このUFOキャッチャーでよくあるのが、今まで費用を費やしたのだから無駄にしたくない、あと1回やれば取れるかもしれない、とズルズル続けることです。このようになかなか辞められなかったという経験がある人は多いでしょう。同じよう...
お金の時間的価値を考えてみる
今、1万ドルもらうのと、1年後に1万ドルもらうのはどちらが得でしょうか。普通に考えれば同じです。しかしお金の時間的価値を加味すると話は違ってきます。もし今、手元にある1万ドルを銀行の定期預金に預けるとしましょう。10年前は8~9%という夢のような定期預金金利でしたが現在は銀行により1~3%です。この1万ドルが年2%の金利の場合は1年後に1万200ドルになりま...
会計の発想を生活に取り入れる
ビジネスで必ず出合う用語「アセット(Asset=資産)」と「エクスペンス(Expense=費用)」。共にお金を使った時に登場するものです。
アセットは購入した会計年度だけでなく、未来の会計年度の売上/便益に貢献するもの。一方、エクスペンスは購入した会計年度の売上/便益のみに貢献するもの。つまり、アセットは出費は今だけど、効果を出すのは数年にわたって、という原則です...
ビジネスとタックス・リターン
やる気次第でいつでもビジネスが始められる国、オーストラリア。実はビジネスを始めるに当たり、最初に考えなくてはならないのが「誰がビジネスを行うか」です。「自分でしょ?」と思う方がほとんどかもしれませんが、自分が行うのは自分のオーストラリアン・ビジネス・ナンバー(ABN)を使って行う“個人事業主(Sole Trader)”という形態のみです。
オーストラリアには他に3...
スーパーアニュエーションによる節税戦略
豪州も財政難で、自分の老後の資金は自分で貯めておいて欲しい、というのが本音です。そのため、スーパーアニュエーション(以下、スーパー)への拠出による税金の優遇策が出されています。
① 雇用主に頼み、給料の1部をスーパーに払ってもらう。これによりスーパーへの追加払い部分には税金が掛からない。
② 主な収入源が自営業者のみにしか認められていなかったスーパーへ...
なぜ税理士によってタックス・リターンの結果が違うのか?
この税理士に依頼したら返金がXXXドルだと言われたのに、こっちに依頼したらXXXドルだった。このように税理士によってタックス・リターンの結果が変わることがあります。返金が多くなったり少なくなったりして、結果が良くなる、悪くなるという両方の側面があります。本来、同じ税法を使うので結果は必ず同じになるはずですが、実際はそうでもありません。理由...