日豪フットボール新時代 第127回
決意
体格で劣っても動きの質と量は負けていない
NPLの古豪のまさかの降格に直面、来季の再昇格に尽くす決意をした選手について書く。
江本遼(25)、攻撃的MFとして、2季にわたって、NPLの古豪レッドランズ・ユナイテッド攻撃陣を牽引してきた。実年齢よりも若く見える小柄な礼儀正しい好青年も、1度ピッチに立つと豊富な運動量で体格に勝る相手の中でもしっかりと存...
日豪フットボール新時代 第126回
鬼門
試合後、眼前の光景は昨年のデ・ジャブだった
英語に“curse”という言葉がある。直訳すると「呪い」と言う意味。文脈的には日本語で言うところの「鬼門」と似通った意味でも使われる。
オリンピックFCは、ブリスベン有数の強豪で本コラムでも何度となく取り上げてきた。全豪のNPL日本人選手の中でも数少ないレジェンドと呼べる活躍を見せた伊藤和也(引退)が昨季...
日豪フットボール新時代 第125回
昇格
躍動する加藤(左)と平山(©️Caitlin Jade Media)
昨年末、2人の日本人選手がプレーしたブリスベン・ロアのプレ・シーズン、一般公開された練習試合を取材に行った時のことだ。関係者が集まる一角で、ある懐かしい顔に会った。マット・スミス、元ロアの主将で、現在はブリスベン・シティFC(当時、QLD州2部/豪州3部相当)の監督兼...
日豪フットボール新時代 第124回
継承者
久々の現地昇格日系フットボーラーだが気負いはない
予言的中。前回、「Wリーグを目指す日本人選手のフロント・ランナーと言って差し支えない」と名を挙げた北野梨絵(29)の来季からのブリスベン・ロア・ウィメン入団が決まった。
今季、QLD州女子1部(NPLQW)で躍進したサウス・ユナイテッドの攻撃の中心だった北野。3年弱という豪州でのキャリアでMFなが...
日豪フットボール新時代 第123回
先駆者
東京五輪が終わった。豪州はグループ・リーグを敗退した「オリルーズ」とは対照的に、フットボール女子代表「マチルダス」はメダルまであと1歩に迫り、大きな存在感を発揮した。
そのマチルダスの顔ぶれを見ると、カイラ・クーニー=クロス、メアリー・ファウラーなど次世代を担う若手と競いながら、まだまだ要所要所を締めるベテランの頑張りに目が留まる。代表の半数近い10...
日豪フットボール新時代 第122回
再会
筆者の“出待ち”に満面の笑みで応えてくれた丈(左)とコナー
朋有り、遠方より来たる、亦(また)楽しからずや。いきなり冒頭に論語の一節を引かずとも、いつも、同じフットボール愛を共有する友との再会はうれしいものだ。
Aリーグを長く取材するが、物理的に取材に赴(おもむ)くのはブリスベン・ロアの主催試合がほとんど。ゆえに筆者の選手移籍の動向観測がほぼブリス...
日豪フットボール新時代 第121回
大収穫
檀崎(右)と工藤(左)にとって欠かせない存在だった千葉
今年のAリーグ。ブリスベン・ロアには工藤壮人(まさと)、檀崎(だんざき)竜孔(りく)と2人の日本人選手が所属した。J1札幌からレンタル移籍の檀崎は9得点の大活躍で、ファン選出の年間MVPにも選ばれた。その成功の陰には、言葉も通じず勝手も分からない国での、若武者の生活を支える男の存在があった。そ...
日豪フットボール新時代 第120回
至福
この顔を見掛けたら「タカの記事読んだ」と声を掛けてほしい
ブリスベン・ロアの試合は、今季からブリスベン大都市圏の北の外れ、レッドクリフで行われている。練習場もゴールドコーストに移って久しく、選手やスタッフはいつも大移動を余儀なくされるが、試合当日はファンも北へと車を走らせる。雰囲気あるこじんまりとしたスタジアムに不満はないが、いかんせん遠い。筆者の暮...
日豪フットボール新時代 第119回
個性派
田代&長谷川(右)のツイン・タワー、シドニーで再結成!?
初めてその男と会ってから1年が過ぎた。昨年3月、筆者が単発の仕事でシドニーに滞在した折り、当地在住の旧知の元日本代表・田代有三から「長谷川悠、知ってますか」と聞かれた。海外在住が長くなって、Jリーグに関しての細部にわたる情報収集が難しい身でも、さすがにJ1、J2通算350試合近い公式戦の出場...
日豪フットボール新時代 第118回
蒐集家(しゅうしゅう)
フットボール狂にもいろいろな姿があるが今回、登場願うのは、フットボールを狂おしく愛するユニフォーム蒐集家の話。
関裕介(37)は、妻と愛息と2,000枚を軽く超えるコレクションと共にブリスベン郊外に暮らす。独自のルートを駆使して世界中から集めた長年の努力の賜物は多くの珍品を含む。南スーダンや東ティモールなどマイナー国の代表ユニフォーム...