第77回 喜寿
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu
更なる爆発で、ティム・ケーヒルの本領発揮なるか(Photo: Nino Lo Giudice)
当連載、今回で77回を数える。連載70回の時は「古希」と銘打った以上、流れで今回も「喜寿」とタイトルを打たねばなるまい。「喜びを寿(ことほ)ぐ」と書くわけで、何かめでたいことを取り上げたい。しかし、シーズン真っ盛りのAリーグは、...
第76回 地道
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu
代表から戻ったロアのエースFWマクラーレンをシドニーFCのDF陣が激しくマーク(Photo by Nino Lo Guidice)
今年のAリーグは違う。昨季までに比べて、グンとレベルが上がった(ように感じる)。全日程のおよそ4分の1が消化されたリーグ戦を、各節数試合をチェックする筆者だが、今季はいわゆる“外れ試合”が少な...
第76回 本物
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu
絶好のアピールの機会となるはずだった練習試合は、まさかの直前の豪雨で中止に(筆者撮影)
例年にも増して熱戦が繰り広げられるAリーグ。WSWの楠神順平がAリーグの“日本代表”として奮闘。ブリスベン・ロアでは、ジョー・カレッティとコナー・オトゥールという2人の若い日系選手が飛躍の機会を虎視眈々とうかがっている。
さらに、国内下...
第75回 矜持
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu
代表のエースの風格漂う本田圭佑は、自分の言葉でしっかりと話す(筆者撮影)
当稿、今月は日豪戦特別紙面の一角に組み込まれているはず。その大事な試合の詳報は、筆者が担当したルポ記事に譲るとして、ここでは、日豪戦取材のメルボルンで感じたことについて書きたい。
第三国で行われるものを除いて、日豪両国で行われる日豪戦にはできる限り現...
第75回 自信
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu
余裕の表情でチームフォト撮影を待つロビー・クルーズ(左)とマーク・ミリガン(筆者撮影)
決戦の地メルボルンにいる。寒い。風が強いので体感はクイーンズランドの冬。しかも、試合開催日に向けさらに冷え込むらしい。夏と見紛うような陽気のブリスベンからだと、この気温差はこたえる。そう考えれば、サッカルーズは灼熱のサウジから。日本は移...
第74回 帰還
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu
ティム・ケーヒルが戻ってきた。今年のAリーグの最大の見どころになる(写真提供:FFA)
「未帰還」という題で、ティム・ケーヒルについて書いたのは半年程前だったか。その時の「帰ってきて欲しい」という願いが通じたわけではないだろうが、サッカルーズの英雄は祖国への帰還を果たした。18歳の彼が海外でのプレーを選んで国を離れてから、...
第74回 志
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu
試合後に労いにきたティム・キャンベル監督と。今季から就任した監督は渡邉を不動のCBとして起用し続けた(筆者撮影)
試合終了の笛が鳴り響いた瞬間、渡邉志門は頭を抱え天を仰ぎ、どかっとピッチに座り込んだ。スタンドから見る限り、「泣いているのか」と思うくらいの落胆ぶりだった。
シーズン開始前は、優勝候補と扱われなかったダークホース...
第73回 存在感
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu
多くの日本人選手の兄貴分として慕われる村山拓也(左から3人目)。チームメイトの梶山知裕(右)、対戦相手ブラックタウン・スパルタンズの佐々木周(中)、中村風太(左)と共に。佐々木は村山の高校の後輩にあたる(写真提供:Anna Ishiguro)
先月、ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(WSW)の新たな日本人・楠神順平の豪...
第73回 番狂わせ
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu
番狂わせでの勝利後のレッドランズ・ユナイテッドの歓喜の様子は、クラブの公式Facebookページでも伝えられた
ローカル・サッカーたけなわのこの時期、Aリーグのクラブにとっては来たるシーズンに向けて本格的に始動後間もない頃だ。そんな狭間の時期に行われるのが、FFA杯のラウンド32。日本の天皇杯にあたるこのカップ戦では、...
第72回 良縁
文・植松久隆 Text: Taka Uematsu
早朝に到着直後、突然の依頼にも快く写真撮影に応じてくれたWSW楠神順平(筆者撮影)
ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(WSW)が、通算4人目の日本人選手となるMF楠神順平(28)をJ1鳥栖から獲得した。ACLを制した名将のトニー・ポポヴィッチ監督のお眼鏡にかなった楠神に、昨季まで2シーズン、攻撃で大きなインパクトを残し続...