8月22日に北部準州(NT)で実施された選挙は、ガナー率いる労働党政権が過半数を維持して再選を果たしている。同選挙では、新型コロナウイルス感染への警戒心もあってか、NT有権者の内の実に半分以上、正確には53%もの有権者が、選挙当日の投票所での投票ではなく、郵便投票などを通じた事前投票制度を利用している。しかも感染問題は、与党勝利の主因ともなった。
ガナー北部準州首席大臣(マイケル・ガナー氏Fa...
新型コロナウイルス感染問題と経済政策
ナオキ・マツモト・コンサルタンシー:松本直樹
年明けより注目され始めた新型コロナウイルスは、あっという間にパンデミック(注:世界的規模の感染)にまで発展し、約3カ月が経過した現時点でも、「出口」が見えないような深刻な状況にある。危機的状況の中、世界各国は、国境封鎖や外出禁止令といった、前代未聞とも言える感染対策を採っているが、こういった保健・医療対策と並行...
求心力低下の与党国民党
ナオキ・マツモト・コンサルタンシー:松本直樹
自由党と連立関係にある国民党の求心力が低下しており、同党のリーダーシップ問題が今後も燻(いぶ)り続ける可能性や、「造反」議員の活動の先鋭化、そしてシニアー・パートナーである自由党との関係が齟齬(そご)を来すことが懸念されている。
経緯と最近の動き
年が明けてからモリソン与党保守連合政権は、山火事大災害への稚拙な対応ぶりに...
山火事災害と連邦政治
ナオキ・マツモト・コンサルタンシー:松本直樹
通常のシーズンよりも早く、しかも全国各地で一斉に発生した大規模な山火事は、数多くの家屋の焼失を引き起こして被災地住民を苦しめているばかりか、野生動物の生態にも甚大な影響を与えている。そして同災害は、連邦政治、具体的にはモリソン保守連合首相のリーダーシップや政府の地球温暖化政策の評価にも、相当なインパクトを与えつつある。
大...
アルバニーゼ野党労働党の行方
ナオキ・マツモト・コンサルタンシー:松本直樹
2019年5月18日の連邦選挙では、大方の予想に反して敗北を喫した野党労働党だが、ショーテンの後任となったアルバニーゼ党首の下で、新生労働党へと脱皮すべく始動している。現時点で既に明らかとなった新生労働党の主要特徴とは、経済成長路線の重視と労働組合には距離を置くとの姿勢である。
19年選挙分析報告書の公表
アンソ...
首都特別地域政府のマリファナ「解禁」
ナオキ・マツモト・コンサルタンシー:松本直樹
9月25日、首都特別地域(ACT)の一院制議会は、労働党政府が上程したマリファナ「解禁」法案を可決している。
法律の内容
「マリファナ解禁法」は、個人がレクリエーションのため、すなわち娯楽や気晴らしのためにマリファナを使用したり、栽培したりすることを合法化するものである。周知の通り、医薬品としてのマリファナ...
成果の乏しい教育投資
ナオキ・マツモト・コンサルタンシー:松本直樹
今年の5月に全国の初等・中等教育学校で実施された、恒例の全国共通学力試験(NAPLAN)の結果が、8月28日に公表されている。それを契機に、教育政策、とりわけ教育投資に関する議論が再度活発化している。
教育分野の所管
NAPLANのホームページ
豪州は連邦制を採用しているが、豪州では高等教育は連邦が主管、一方、初等・中...
モリソン政府による官僚機構改革の動き
ナオキ・マツモト・コンサルタンシー:松本直樹
現在、巨大通信企業テルストラの前CEOを長とする諮問委員会が、連邦公務員制度のレビューを実施中だが、2019年選挙で番狂わせの勝利を収めたモリソン保守連合政府は、同答申書の完了、結論を待たずに、公務員制度改革をスタートさせる見込みである。なお、豪州の人口は2,600万人に達しているが、そのうちの200万人が「公...
大番狂わせの2019年連邦選挙
ナオキ・マツモト・コンサルタンシー:松本直樹
5月18日(土)に実施された、連邦下院の解散と連邦上院半数改選の同日選挙は、モリソン首相率いる与党自由党-国民党保守連合が、ショーテン率いる野党労働党に勝利するという、近年稀に見る大番狂わせの選挙となった。しかも辛うじてとは言え、保守連合は下院で単独過半数を獲得している。勝利に自信満々であった労働党は、当然のことなが...
豪州・インドネシア自由貿易協定の締結
ナオキ・マツモト・コンサルタンシー:松本直樹
豪州と隣国のインドネシアとは、過去6年以上にわたって2国間自由貿易協定(FTA)の交渉を重ねてきたが、3月4日、両国の貿易大臣がインドネシアの首都ジャカルタにおいて、豪・インドネシア包括的経済パートナーシップ協定に調印している。
自由貿易協定の調印
豪・インドネシア包括的経済パートナーシップ協定の調印式の...