タスマニア再発見
No.102 ネルソン滝の自然散策路
文=千々岩健一郎
ホバートを出て西に向かう10号線のハイウェイは長い。中部山岳地域を越えタスマニアを東西に横断していく山道で、地図で見るよりはるかに距離があり、休み無しで走ってもホバートから西の端のストローンの港まで6時間はかかるだろう。今回取り上げるネルソン滝の自然散策路は、この長いドライブの途中で休憩を兼ねた森歩きができるすばらしい場所だ...
タスマニア再発見
No.101 ウォンバットの草原、ロニー・クリーク
文=千々岩健一郎
前回に続きクレイドル国立公園から、今回はロニー・クリークを取り上げよう。公園内を運行しているシャトル・バスに乗ると、終点ダブ湖展望台の1つ手前の停留所がロニー・クリーク駐車場だ。ここは、クレイドル山頂直下の山岳台地を源として流れてきた川(Ronny Creek)が、ダブ湖から流れ出たダブ・リバーに合流する地点で...
タスマニア再発見
No.100 ワルドハイムとウエインドルファーの森
文=千々岩健一郎
このコラムも100回目。今回のテーマは私の好きな場所、クレイドル・マウンテン国立公園から取り上げようと思う。国立公園の北側入り口から6キロほど奥に入った所にワルドハイムと呼ばれる場所がある。氷河時代の痕跡が残る原野クレイドル・バレーに面した南向き斜面の一角で、キングビリー・パイン(杉の仲間)を使った木造の小屋が...
タスマニア再発見
No.99 「客船」シーズン到来!
文=千々岩健一郎
今年のタスマニアは客船ブームで沸いている。その中心となるホバート港に客船専用ターミナルが完成し受け入れが容易になったこともあるが、最近はホバートのみならず、クレイドル・マウンテン国立公園に近いバーニーや、囚人史跡で名高いポート・アーサー、更には東海岸のワイングラス・ベイまで訪問する客船があるらしい。
今年のシーズンの訪問予定数...
タスマニア再発見
No.98 ペンギンと共存する町、バーニー
文=千々岩健一郎
バーニー(Burnie)はタスマニア北岸の港町。メルボルンとの間に横たわるバス海峡に面し、人口はこの州4番目で、貨物船が多く行き来する港湾都市だ。港内にはパルプの原料となるウッド・チップの積み出し施設もある。人気の国立公園クレイドル・マウンテンまで1時間半という距離なので、時には大型客船の立ち寄りも見られる。
今回は、...
タスマニア再発見
No.97 もう1つの100周年「フレシネ半島」
文=千々岩健一郎
前回のマウント・フィールドと並んで、タスマニアで最初に国立公園の指定を受けたフレシネ半島を今回は取り上げよう。タスマニアの山側の国立公園として人気があるのがマウント・フィールドやクレイドルとすれば、フレシネは海側の国立公園として最も人気のある場所だ。東側のちょうど真ん中あたりでタスマン海に突き出した半島のほぼ全域...
タスマニア再発見
100周年のマウント・フィールド
文=千々岩健一郎
ホバートから北西に64キロ、州都に最も近く位置するマウント・フィールド国立公園は今年でちょうど100周年を迎える。数多いタスマニアの国立公園の中で、フレシネと並んで一番最初に国立公園の指定を受け、非常に人気の高い名所だ。100周年を契機に改めてこの国立公園の楽しみ方を紹介しよう。
国立公園上部の、枯れたユーカリの古木が美し...
独自の進化を遂げた生態系と、入植時代からの興味深い歴史の記録を持つタスマニア州。そんな同州を毎月取り上げるコラム「タスマニア再発見」が、間もなく日豪プレスでの連載100回を迎える。これを記念し、これまでに同コラムで取り上げたタスマニア観光の見どころや知られざるその魅力を、自然、味覚、文化・歴史、生活の4側面からハイライトで紹介する。ぜひ旅の計画の参考にしてみては。
タスマニア基本情報
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タスマニア再発見
No.95 火色の海岸、ベイ・オブ・ファイヤー
文=千々岩健一郎
1773年のある夕暮れ、島の北東部を航行していた英国の帆船アドベンチャー号が、海岸に沿って連なる赤い火を見た。この船はキャプテン・クックの第2次航海に同行するトバイアス・フルノー船長のもので、彼はこの一帯をベイ・オブ・ファイヤーと名付けた。彼が見たのは海岸線に沿って暮らしていたアボリジニの火で、現在でも貝塚などの生...
タスマニア再発見
No.94 姉妹都市~交流の軌跡(その3)~
文=千々岩健一郎
「交流の軌跡」の3回目として、北部の中心の町ロンセストンと大阪府池田市との姉妹都市交流について取り上げる。実は、タスマニアの4つの市の日本との姉妹都市交流の中で、この池田市との関係がもっとも古く、昨年でなんと50周年を迎えた。日豪間で現在109の姉妹都市があるそうだが、その中でも2番目に古い歴史を持つ。そんな両市の関...