タスマニア再発見
No.140 セナタフから王立植物園
文=千々岩健一郎
新設された橋の上からセナタフを望む
新型コロナが席巻しあちこちを出歩くのが難しい昨今、体調管理の運動を兼ねて歩くのに適したホバート市内の散策コースを取り上げてみよう。
セナタフはタスマン・ブリッジを渡ってホバートに入って来た所で最初に目に付く広い芝生の公園。過去の戦争で亡くなった兵士たちを追悼する慰霊碑があり、例年4月...
タスマニア再発見
No.139 1日食べ歩き、ブルニー島
文=千々岩健一郎
ホバートの南、ダーウエント川の河口に位置するブルニー島は週末のキャンプや沿岸を巡るクルーズなどで人気のある所だが、最近はもっぱらグルメの島として注目度が上がっている。
最初に牡蠣(かき)の養殖場に併設された「Get Shucked Oyster Bar」というお店がオープンしたのがそのきっかけだろう。フェリーのターミ...
タスマニア再発見
No.138 除虫菊(じょちゅうぎく)の花畑
文=千々岩健一郎
先月の蕎麦(そば)の花畑に続き、今回は同様に白い菊の花畑を取り上げよう。蕎麦とは異なり花の時期は春先11月ごろ。やはりタスマニア北部の農業地域を走っていると見慣れない白い花が一面に広がる畑に出くわし、立ち寄ってみたくなる。実はこれが除虫菊(Pyrethrum)だ。
デボンポート空港近くにある除虫菊の花畑
こ...
タスマニア再発見
No.136 森歩きの楽しみ⑧ トルコ石のユリ
文=千々岩健一郎
森歩きの楽しみももう8回になってしまった。年も明けたのでそろそろ打ち止めにしたいと思う。最後に小さくて地味だけれど、なかなか素敵なトルコ石の実(Turquoise Berry)と名付けられたユリの仲間を紹介しよう。
ユリと言えば夏の花の代表だが、タスマニアのクリスマス・ベルのような派手な存在ではなく、湿ったユ...
タスマニア再発見
No.135 森歩きの楽しみ⑦ ネイティブ・ローレル
文=千々岩健一郎
タスマニアももう夏の入り口。夏になっても光の入らない湿ったレインフォレストの中で咲く花は少ないが、この春の終わりの森歩きで出会えるのがネイティブ・ローレル(Native Laurel)だ。この限られた季節だけにレインフォレストの下部で可憐な花を付ける。「野生の月桂樹」という意味だと思うが、月桂樹とはだい...
タスマニア再発見
No.134 森歩きの楽しみ⑥ サッサフラス
文=千々岩健一郎
サラマンカの土曜マーケットでタスマニアらしさを感じるのは、さまざまな形に加工した木工品の店。いずれもタスマニアの森で育った銘木を材料にした物だが、その中に灰色の黒い縞(しま)模様を持った特異な材質のお皿やお盆などが目に付く。これがサッサフラス(Atherosperma moschatum)だ。明るいグレーの木質...
タスマニア再発見
No.134 森歩きの楽しみ⑥ サッサフラス
文=千々岩健一郎
サラマンカの土曜マーケットでタスマニアらしさを感じるのは、さまざまな形に加工した木工品の店。いずれもタスマニアの森で育った銘木を材料にした物だが、その中に灰色の黒い縞(しま)模様を持った特異な材質のお皿やお盆などが目に付く。これがサッサフラス(Atherosperma moschatum)だ。明るいグレーの木質...
タスマニア再発見
No. 133 森歩きの楽しみ⑤ モクマオウの林
文=千々岩健一郎
タスマニアの乾いた海岸線を歩くと、松のような細い葉で柳のように垂れ下がった枝ぶりの林に出くわす。これがモクマオウ(Allocasuarina)。当地ではもっぱらシェーク(Sheoak)の名で知られる。針葉樹に見えるが、れっきとした被子植物で、ゴンドワナの起源を持つ豪州でもなかなか由緒のある植物だ。細い葉に見...
タスマニア再発見
No. 132 森歩きの楽しみ④ ブラックウッド
文=千々岩健一郎
先月取り上げた「背高ユーカリ」のある、マウント・フィールド国立公園の滝に続く道の入り口辺りに、どっしりと構えた1本の木がある。ブラックウッド(Acacia melanoxylon)だ。
アカシア属と言えば豪州では専らワトルの名前で知られ、豪州の国花として人気の高い植物で種類も多い。しかし、このブラックウッド...