第11回:京都のお酒
「今度日本に行くの!」と言って話しかけてくるお友達や同僚、最近増えていませんか? スキーにしろ家族旅行にしろ、その人たちの多くは、京都に立ち寄ることを楽しみにしています。そこで、神社仏閣巡りも良いですが、せっかく行くならぜひ日本酒も。そんな時、こんなアドバイスが役立つかもしれません。
京都・平安神宮
まずは「祝」で乾杯
京都を訪ねたら、ぜひ地元の酒造好適米「祝(い...
第10回:新潟県の話
19年10月に開催されたシドニー酒祭りにて(右端が吉乃川の小野さん)
2020年の初めを飾る今回は、日本酒の蔵元数、そして1人当たりの消費量で堂々1位の新潟県のお話です。新潟の酒が日本全国で広く知られるようになったのは1980年代中頃から。この頃既にアルコールに親しんでいた世代の読者の方なら「端麗辛口」というフレーズが思い浮かぶのではないでしょうか。しかし「端麗辛...
第9回:シドニー+「天狗舞」
今年も盛況のシドニー酒祭り
今回は「天狗舞」の蔵元、石川県の車多(しゃた)酒造さんをご紹介します。石川県と言えば、豪雪、兼六園、そして毛ガニを始めとした季節折々の食材が思い浮かびますが、その地元料理と一緒に味わいたいのが、うまみふくよかな日本酒の天狗舞です。
200年の伝統
車多酒造の創業は文政六年(1823年)。歴史をたどると、オーストラリアはまだ「流刑...
第8回:シドニーで「酒の祭り」を楽しむ
今年6月に開催されたメルボルン酒祭りの盛況ぶり
スキー、観光、アニメ、ラーメン……。オーストラリアにしばらくお住まいの皆さんなら、ここ数年「日本人気」がかなり熱くなっているのを感じませんか。また最近こちらに移り住んだ人は「日本に行ったことあるよ!」というオージーの多さにびっくりされたのではないでしょうか。それもそのはず、約10年前の2008年には...
第6回日豪、そして日本酒の歴史の話
日本ではいよいよ、新しい時代「令和」のスタートです。そこで今回は日本、オーストラリア、日本酒の3つの歴史を重ねてみたお話をしたいと思います。
1505年創業の剣菱は、赤穂浪士が敵打ち前に飲んだ酒として語られている
万葉の時代には自家醸造も
「令和」の出典は8世紀ごろに編纂(へんさん)された『万葉集』ですが、このころには既に宮廷で酒造りの専門機関があり...
第5回日本酒と意外な食材との相性の話
2019年も既に3カ月目を迎え、ちょっと疲れが出たり、新年の気合が薄れたりしていませんか。そんな時は心機一転、日本酒を通して新しい味体験に挑戦してみましょう。
チーズ、コリアンダー、ラム・チョップなどとの意外なマリアージュに挑戦
日本酒+チーズ
ワインがおいしいオーストラリアに住んでいると、「やっぱりチーズにはワインだよねえ」と安易なチョイスになび...
第4回酒盃の話
新年、そしてサマー・ホリデーのこの時期は楽しい乾杯の機会が増えますね。またホーム・パーティーで和食を囲んで集まることがあれば、オージーに日本酒を紹介する絶好のチャンスです。今回は「盃」を通して、気軽においしく日本酒を勧めるアイデアを幾つかご紹介します。
自宅のお猪口を集めてパーティーに活用
ガラスの器ですっきり、繊細な味わいの日本酒を
盃でも小ぶりのワイン・グラスでも、...
第3回仕込み水の話
今回は、米以外の非常に大事な日本酒の主原料「仕込みの水」についてです。
硬い水と柔らかい水
水には「硬度」があり、これは1リットル中に含まれるカルシウムとマグネシウムの量により決まります。日本酒の世界では、硬水であれ軟水であれ、地元の名水を生かした造りが蔵の特徴となって現れます。
その土地の名水が生かされ、個性ある日本酒が生まれる
「灘の宮水」は硬水の代表格
硬水に...
第2回米の話 その2
灘の銘酒「剣菱」の山田錦が実る稲田
今回は日本酒の原料自体、「日本酒を造る米」についてご紹介致します。
ご飯のお米、お酒のお米
酒造りの米と、炊いてご飯にする米とは、基本的に種類が違います。これは、良い日本酒を造るために、ご飯米とはまた違った特徴が必要だからです。日本酒造り用の米を「酒造好適米」「酒米」と言い、粒が大きく、粒の中心の白い部分(心白)が大きめでしっか...
第1回米の話 その1
日本好きが元々多いオーストラリアですが、特に近年の日本観光ブーム、来る東京五輪などで、和食への興味が広まるにつれ、日本酒への関心も徐々に高まってきた気がしています。
そんな中、日本酒に興味を示し始めたオージーの友人と和食を食べに行ったとしましょう。もし日本酒の話題が出たら、語りすぎることなく、手短に楽しく、大事なポイントを教えてあげたいですよね。そこで、まずは「米の削...