オージー・ワイルドライフ 診療日記
第40回 保護される赤ちゃんコウモリ
ゴールドコーストは例年よりも早く夏を迎え、10月初旬から気温30度を超える日もありました。そのため、熱中症で衰弱したところを保護されたり、命を落とした野生動物もここ数カ月でたくさんいました。夜行性であるコウモリたちも、その例外ではありません。
オーストラリアに生息するコウモリは100種以上。ゴールドコーストで多く見られる...
オージー・ワイルドライフ 診療日記
第38回 蛇そっくりの足無しトカゲ
今年も残すところ2カ月あまり。クリスマス休暇を利用した旅行の計画を立てている方も多いことでしょう。広大な土地を有するオーストラリアでは、何時間、時には何日も車を運転して親戚を訪ねたりキャンプや旅行を楽しみます。外で過ごす時間が長ければ長いほど、旅行先や帰り道で傷ついた野生動物に遭遇する可能性も高くなるのです。
「外に停めた...
オージー・ワイルドライフ 診療日記
第37回 ペットの猫と野生動物
アパート暮らしの我が家の2匹の猫たちは、時々ベランダで日光浴をする他は外へ出る機会がありません。外で自由に遊べないなんてかわいそう、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、他の動物との縄張り争いによるストレスや交通事故の危険など、外の世界はペットにとって良いことばかりとは限らないのです。
また、猫による野生動物への被害も大きな...
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第36回 ヒナを親鳥の元へ返す「ベイビー・バケット」
気温が下がる朝晩は肌寒く、ジャケットが手放せない日が続いています。春の訪れはまだまだ先だというのに、カランビン野生動物病院では例年よりも早く「ベイビー・シーズン」が始まっています。
まだ空を飛べるほど成長していないのに巣から落ちて木の上に戻れなくなった鳥のヒナや、事故で親鳥を亡くしてしまったヒナたちが、路...
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第35回 野生動物を「可愛がる」ことの意味
オーストラリアで獣医として働き始めてから、犬や猫を始め多くの愛玩動物にも接してきましたが、治療をするに当たって野生動物とペットとの一番の違いは、「可愛がって良いのか」ということだと思います。
例えばコアラの赤ちゃんが病院に居たら、その愛らしさからつい抱きしめたり撫でたりしたくなってしまうものですが、そんな衝動をぐっ...
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第34回 冬の豪雨被害に遭った動物たち
6月初め、オーストラリア東海岸は冬には珍しい豪雨に見舞われました。各地で洪水や強風による被害がありましたが、野生動物も例外ではありません。雨がやんだ翌日から、たくさんの動物たちが保護され、病院で治療を受けました。
強風にあおられて巣から落ちたり木や建物に衝突してしまった鳥たちは、脳震盪や翼の骨折などひどいけがを負ってい...
オージー・ワイルドライフ 診療日記
第33回 異物を飲み込んだクッカバラ
釣り針などの異物を飲み込んでしまったために保護されカランビン野生動物病院で治療を受けたペリカンや亀の話はこれまでにも紹介してきましたが、今回は私たちスタッフもびっくりしてしまった異物のお話です。
オーストラリアではおなじみのクッカバラ(ワライカワセミ/Laughing Kookaburra)が、歩道でじっとして動かなくな...
オージー・ワイルドライフ 診療日記
第32回 カラフルで美しい「ルリミツユビカワセミ」
秋に入り、カランビン・ワイルドライフ病院では患者となる動物が少なく、とても静かな日々が続いています。これは、気温が下がり始め日照時間が短くなってくると、野生動物たちの活動も鈍くなるため。病院が忙しくないということは、事故に遭ったり病気になったりする動物が少ないということですから、この「静かな季節」は大歓迎で...