オージー・ワイルドライフ 診療日記
第47回 プラスチック・フリー月間
私が勤務するカランビン・ワイルドライフ・サンクチュアリーでは7月中、「Plastic Free July」という活動をしています。その名の通り、使い捨てプラスチック容器やビニール袋を一切使わないようにしようという試みです。
買い物用のビニール袋、ペットボトル、テイク・アウェイの食品容器やコーヒー・カップなどは、そのほとんど...
オージー・ワイルドライフ 診療日記
第46回 けがをした鳥や動物を見かけたら
もしも突然、けがをした鳥や動物を見かけたら、皆さんはどうするでしょうか。最寄りの動物病院へ連れて行く、保護団体に連絡する、あるいはカランビン・ワイルドライフ・ホスピタルに連れて来るなどの選択肢があります。オーストラリアに住んでいても、誰しも間近で野生動物に接する機会があるわけではありませんから、傷ついた動物を保護する...
オージー・ワイルドライフ 診療日記
第45回 ハイイロ・リングテール・ポッサムの巣立ち
コアラやカンガルーなど、たくさんの有袋類が生息しているオーストラリアですが、その多くが夜行性で、私たち人間の前にはなかなかその姿を現してくれません。そんな動物たちを見られるのが動物園の良い所ですが、オーストラリア中の動物園でも少数しか飼育されていない種の1つが、ハイイロ・リングテール・ポッサム(Common...
オージー・ワイルドライフ 診療日記
第44回 ゴリアテ・ナナフシの治療
大学を卒業して獣医として働き始めたころ、獣医学生時代の5年間で学んだことはほんの基礎でしかないと毎日思い知らされながら、仕事の合間を縫って更に勉強に励んでいました。
今では哺乳類、爬虫類、鳥類のいろいろな種の動物を次々と治療出来るだけの知識と技術が身に付きましたが、最近、またしても己の未熟さを痛感させられる出来事がありまし...
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第43回 世界最速の動物、ハヤブサ
皆さんは「世界最速の動物」とは何かご存知でしょうか? 時速120キロで走るチーターは地上最速の哺乳類ですが、その3倍を上回る速さで飛ぶことができるのが、ハヤブサ(Peregrine falcon)です。獲物に向かって急降下する時の速さは地球上の動物では最速の、時速387キロにも及びます。ちなみに、東北新幹線「はやぶさ」の最...
オージー・ワイルドライフ 診療日記
第42回 外来種のオオヒキガエル
カランビン野生動物病院でたくさんの野生動物の治療を行っている私たちですが外来種(※)の動物を治療することはできません。オーストラリアの固有種の生存を脅かす存在である外来種を保護すること自体は違法ではないのですが、飼育したり、野生に放つことが禁じられているため、殺処分することになります。
クイーンズランド州を代表する外来種とい...
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第41回 黒鳥湖の埋め立てと生態系
ゴールドコーストの競馬場の近くに、「Black Swan Lake(黒鳥湖)」と呼ばれる人工の湖があります。その名の通り、黒鳥を始めたくさんの水鳥やカメ、魚類が生息している湖ですが、昨年末の市議会の決定で埋め立てられることが確定しました。毎年春の初めにこの競馬場で催される農業祭「ゴールドコースト・ショー」を訪れる人たちのた...