外来種の駆除と在来種の保全

    第60回 外来種の駆除と在来種の保全 オーストラリアに入国する際、空港での検疫がとても厳しいことは皆さんも経験しているはずです。オーストラリア固有の動物や植物を、害獣や害虫から守るために必要なことなのですが、既に国内にすみ着いてしまっている外来種はどうすべきでしょうか。 イギリスによる植民地支配が本格化した200年前から、家畜となる豚やヤギ、ペットの猫、狩猟用のキツネやウサギ、荷馬車や農耕のた...

     詳細を見る

    ひな鳥の季節

    第59回 ひな鳥の季節 今年は例年よりも少し早く、「Baby bird season」のお話をしたいと思います。まだまだ肌寒い季節が続いていますが、既にたくさんのひな鳥たちが保護されカランビン・ワイルドライフ病院に連れて来られています。 ひな鳥が保護される理由は主に2つ。空を飛べるようになる前に巣から落ちて路上で発見された場合、あるいは巣を作っていた木が伐採されてしまった場合です。帰る巣がなく...

     詳細を見る

    ハリモグラ

    第58回 ハリモグラ 冬になり、保護される野生動物の数は全体的に減りましたが、コアラやコウモリ、そしてハリモグラは例年になく多くなっています。 ハリモグラ(Short-Beaked Echidna)はオーストラリア全土に生息し、土壌に穴を掘って生活しています。縄張りを持たないため行動範囲が広く、のしのしと移動しながら鋭い嗅覚でアリやシロアリを見つけ、20センチにも及ぶ長い舌を出し入れして餌を飲...

     詳細を見る

    オニアジサシ最年長記録

    第57回 オニアジサシ最年長記録 秋も本番となり気温がぐんと下がり、動物たちがあまり活発に動き回らなくなると、保護され「Currumbin Wildlife Hospital」で治療を受ける野生動物の数も減ってきます。それにもかかわらず、病院の水鳥専用プールには、ペリカン2羽、黒鳥2羽、ヘラサギ2羽、カルガモ1羽、そしてミズナギドリ4羽がリハビリのため共生しています。異なる種の動物を同じケージ...

     詳細を見る

    裏庭のポッサム

    第56回 裏庭のポッサム 秋になり朝晩の気温が下がってきましたが、日中は暖かく外で過ごすのが気持ち良いですね。オーストラリアでの休日やイベントに欠かせないのが、バーベキューです。焼いたソーセージを食パンに乗せてソースを掛けるだけのシンプルなものが主流ですが、公園に設置されている器具を使うこともでき、たくさんの人が集まって楽しめます。 屋外で食べ物を扱っていると、野生動物たちはおいしそうな匂いに...

     詳細を見る

    裏庭のポッサム

    第56回 裏庭のポッサム 秋になり朝晩の気温が下がってきましたが、日中は暖かく外で過ごすのが気持ち良いですね。オーストラリアでの休日やイベントに欠かせないのが、バーベキューです。焼いたソーセージを食パンに乗せてソースを掛けるだけのシンプルなものが主流ですが、公園に設置されている器具を使うこともでき、たくさんの人が集まって楽しめます。 屋外で食べ物を扱っていると、野生動物たちはおいしそうな匂いに...

     詳細を見る

    人獣共通感染症

    第55回 人獣共通感染症 毎日たくさんの野生動物の治療をしているカランビン・ワイルドライフ・ホスピタルのスタッフですが、どんなに動物の扱いに慣れていても、噛まれたり引っかかれたりしてけがをしてしまうことがあります。 動物の種類や気性によって、保定(動物を治療する際に、動かないように抑えておくこと)の仕方や使う道具を変えるなど十分な注意をして行うため、けがのほとんどは軽く済みますが、やはり気を付...

     詳細を見る

    釣り針によるけが

    第54回 釣り針によるけが 東海岸沿いに位置するゴールドコーストでは、川や海での釣りを楽しむことができます。魚がたくさんいる場所には当然ながら、魚を餌とする鳥たちもたくさん生息しています。そのため、釣りの活き餌や魚の形をしたルアー(疑似餌)を釣り針ごと飲み込んでしまうこともあるのです。 昨年1年間で釣り針や釣り糸によるけがで治療を受けた動物は121匹、週に2件以上の被害が起きている計算になり...

     詳細を見る

    ヒナを保護したら

    第53回 ヒナを保護したら カランビン野生動物病院では、ここひと月ほどで目立って多かったのが、野生動物が保護されてから数週間あるいは数カ月後に病院に連れて来られたというケースです。一番多いのは、地面に落ちて巣に戻れなくなっているヒナを見つけ、家に連れて帰り、餌を与え、そのまま飼ってしまうことです。初めのうちは順調に育っていたヒナが大きくなるにつれて体に異常が出てきたり、クリスマス・ホリデーが終...

     詳細を見る

    コアラはオーストラリアの絶滅危惧種

    第52回 コアラはオーストラリアの絶滅危惧種 2017年にカランビン・ワイルドライフ病院で治療を受けた野生動物の数は、9,000を超えました。コアラにおいては、5年前に私が働き始めた当初は年間200頭ほどの症例数だったのが年々増加し、17年には500頭に上りました。 治療を受けたコアラの保護理由は、6割がクラミジア感染症などの病気、2割が車との接触事故や犬に噛まれるなどのけがが要因でした...

     詳細を見る