第72回
金色のオグロワラビー
野生動物保護団体には、季節や昼夜を問わず野生動物の保護要請が入ります。特に夜間の呼び出しでは、暗くて見通しの悪い道路で運悪く車と接触し、けがをしてしまった動物のレスキューが多くなります。有袋類の動物が事故に遭ってしまった場合、その動物が死んでしまっていても、メスの育児嚢(のう)に赤ちゃんがいないかどうかチェックすることはとても重要です。
カランビン野生動物病院か...
第69回
骨折したカンガルーの赤ちゃん
有袋類の中で2番目に大きいオオカンガルー(Grey Kangaroo)の走る速さは、最大時速64キロと記録されていますが、その速さで道路を横切るため、自動車と衝突してしまうこともあります。
野生動物保護団体「ワイルドケア」(Wildcare Australia Inc)は、夜間のレスキューにも対応しており、一番多いのが車との接触事故でけがをしたカンガルー...
第68回
セイガイインコ麻痺(まひ)症
カランビン・ワイルドライフ・サンクチュアリの目玉と言っても過言ではない、レインボー・ロリキート(ゴシキセイガイインコ)の餌付け。その名前の通り、虹のように鮮やかな羽を翻し、群れを成して空を飛ぶ姿はとても美しいものです。ロリキートは、カランビン野生動物病院(Currumbin Wildlife Hospital)で治療を受ける動物の中で一番多く保護される種...
第66回
カンムリカッコウハヤブサ
オーストラリアの学校では新学期が始まりました。この時期になると、春から夏にかけて大忙しだった「カランビン野生動物病院(Currumbin Wildlife Hospital)」でも、少しずつ保護された野生動物の出入りが少なくなってきます。きっと春以降に生まれた鳥のひなたちが巣立つピークを過ぎたころだからでしょう。
巣立ちの準備をする幼い鳥たちは、まだ風切羽が...
第64回
動物たちのプールでの事故
12月に入り、ゴールドコーストはすっかり夏の気候になりました。
オーストラリア、特にQLD州では、一戸建てやアパートの多くにプールが付いています。カランビン・ワイルドライフ病院(Currumbin Wildlife Hospital)では、夏場に限らず、1年を通してプールでの事故によって保護された野生動物が治療を受けています。
動物たちがプールで保護される理...
第62回
春のレインボー・ロリキート
春になり、野生動物たちの活動が活発になると、けがや病気で保護される動物も増えます。カランビン野生動物病院(Currumbin Wildlife Hospital)では毎日たくさんの動物が治療を受けていますが、中でも一番多く保護されるのはカランビンの餌付けでもおなじみのレインボー・ロリキート(Rainbow Lorikeet/ゴシキセイガイインコ)です。
オ...
第61回
ゴールドコーストのジャック
カランビン・ワイルドライフ病院では、8月の1カ月間だけで700を超える動物が治療を受けました。そのうちコアラは61頭でした。コアラの繁殖期は例年8月ごろに始まり、夕方から早朝にかけて活発に行動するため、移動中に車にひかれたり、犬に噛まれてしまったコアラがたくさん保護されてきます。しかし、先月保護されたコアラの多くは、主食とするユーカリの木が全くない場所で発...